どちらの国も労働力をフル活用している状態(生産可能性辺境線)にある場合、ワインを多く作るためには毛織物の生産を減らさなくてはならない。その場合、ワイン1単位を作るために、小国では毛織物を2単位減らさなければならず、大国は毛織物を3単位減らさなければならない(ワイン生産においては小国は比較優位であり、大国は比較劣位である)。
逆に毛織物生産を見た場合、小国ではワインを1減らしても毛織物が2しか増えないのに対して、大国はワインを1減らすことで毛織物を3増やすことが出来る。(毛織物生産においては小国は比較劣位であり、大国は比較優位である)。
これは比較優位に立つ側は、相手側よりも少ない機会費用で生産できることを示している。
比較優位の応用 [編集]
比較優位の考え方は、国際分業に留まらず、国内間や労働者間などの分業一般に応用できる。
例えば、有能な政治家と、その秘書がいる。政治家は政治活動も秘書業務もどちらも秘書より早くできる。しかし、政治家は政治活動に専念すべきである。政治家が秘書業務を秘書に任せることによって、全体としての効率の改善が図られるからである。
特化のプロセス [編集]
現在の世界の国々は、地球規模の貿易ネットワークに大なり小なりつながっている。そしてそれぞれの国に輸出品と輸入品がある。輸出している商品は国内需要よりも多く生産しているということだから特化が進んでいることになる。
特化が自然に進むプロセスはいくつかある。
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固定相場制下での特化 [編集]
固定相場制(または共通通貨制)をとる小国を考える。小国には複数の産業があり、それぞれが大国へ輸出を試みたとする。まず、より高値で販売できる順に序列ができる。
輸出で利益を得た産業は生産を拡大し、より多くの利益を得ようとする。この際に、最も高い利益を得た産業が、より多くの資源(設備や労働力)の購買力を持つ。そうして高い利益を得る産業が資源を需要するため、各資源の価格は次第に上昇する。資源価格の上昇により、輸出競争力の低い産業は収益が悪化し、解散するなどして資源を解放することになる。
この結果、輸出競争力のある産業(比較優位な産業)へ資源が集中し特化が進む。
変動相場制下での特化 [編集]
変動相場制をとる小国を考える。小国には複数の産業があり、それぞれが大国へ輸出を試みたとする。まず、より高値で販売できる順に序列ができる。
輸出で得た外貨は、小国の通貨へ為替されることになる。このとき、より高い利益を得た産業がより多くの自国通貨を得ることになる。こうして、輸出競争力が高い産業はより高い利益を得る。輸出で利益を得た産業は生産を拡大し、より多くの利益を得ようとする。この際に、輸出拡張で自国通貨高が進む。輸出競争力の低い産業は自国通貨高により、輸出縮小により収益が悪化し、解散するなどして資源を解放することになる。
この結果、輸出競争力のある産業(比較優位な産業)へ資源が集中し特化が進む。